梅の香

寒さも幾分和らいできた。今日は桃の節句。横浜の三溪園(さんけいえん)へ。

同敷地内で行われている友人の湿板光画家、エバレット・ブラウンさんの写真展に伺った。それについては後日記事にしたい。

まずは、梅観賞について。

三溪園は、生糸貿易商の実業家として成功を収めた原富太郎(原三溪)によって、1906年に造園された。原は三井財閥の益田孝、三菱財閥の岩崎弥之助、東武鉄道の根津嘉一郎とともに、茶を愛し、古美術の収集家としても知られている。三溪園は、1457年に建造された京都燈明寺の三重塔が移築されたり、重文だけでも10を数える、名勝。

午後のひととき、庭園をのんびり巡っていると、このところまったく休みがなくて擦り減っていた心身がだいぶ回復出来た。本当に大人の癒しスポットだと思う。

古の時代は、“桜”というより“梅”が花の代名詞であり、和歌も梅について詠まれている方が多い。桜をこよなく愛した西行は、梅について次のような一首を詠んでいる。

 梅が香を谷ふところに吹きためて入り来ん人に沁めよ春風

この歌にしてもそうで、梅は桜と違い花を観て愉しむ以上に匂いを愉しむものとされていた。

書家としては、何とかこの梅の香を、書として表現出来ないものかと思う。

光と闇

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