大人の書道塾

書道教室では、BGMをかけている。大抵は静かな環境音楽をかけるようにしているけれども、プライベート的に行っている講座では、季節感も意識しながら音楽をチョイスしている。
もっとも私自身、書作する時は無音だし、生徒の方も特に何がかかっているのかということに、ほとんど関心は示さない。それだけ書作に集中しているということなのだと思う。

音楽をかけていることには、特に意味はない。ただ、かけているものは、当然私が好きなアーティストではある。昨日は、夏ということで、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブなどをかけた。

このバンドは、もともとアメリカのギタリストであるライ・クーダーとキューバの老ミュージシャンたちとで結成され、ヴィム・ヴェンダースによってドキュメンタリー映画も作られる。映画の影響もあり、今世紀初頭に世界中を席巻。
昨年、惜しまれつつも解散ツアーが行われて、その模様も映画化された。

“老”と言っても、超絶的なテクニックによってブレることなく演奏されるその音楽は、魅せようという自意識は皆無で、ただ音楽の快楽を追求しているように伺える。だからこそ官能的なのかもしれない。

書作についても同じことが言える。やっぱり技術力というものは必要だけれども、技術力があるからといって、それをひけらかしたり、アドリブに前のめりになろうとすれば、わざとらしさは拭えない。
本当の迫力というものは、このバンドのように、派手さではなく本質を追求することによって生まれるものではないかと思う。それが「熟練の美学」。