書家/書道講師 木下真理子(雅号:木下秀翠)

日本の美しい文字プロジェクト

日本の美しい文字

私たちが言語活動で使用している日本語は、言葉の微妙なニュアンスを的確に伝えることが出来る言語であると言われています。例えば”雨”という言葉一つをとっても、霧雨、細雨、梅雨、氷雨、時雨、宿雨など多彩な表現があり、これらは日本人が四季の移ろいと、豊かな自然を愛でてきたことに起因しています。

そして日常の”茶を飲む”行為を「茶道」、”花を見る”行為を「華道」、“香りを楽しむ”行為を「香道」という域にまで極めてきた美意識は、古代から自然を神として尊び、自然と一つになりたいと願った精神性と結び付いています。

それは人間中心主義の古代ギリシャの流れを汲む西洋の様式美、“完全美”や“左右均一の美”とは大きく異なります。日本人は栄華にあっても諸行無常の“儚さ”を、文明が発達しても自然の景観(山の起伏や海岸線など)に見られるような“無秩序”なものに心を傾けてきました。

私たちが普段何気なく使っている「ひらがな」に、それは最も端的に表れています。

漢字を崩すことで編み出された、柔和さの中にも気高さを秘めている、この比類なき美しい文字が日本にはあります。

そのことを「書道」を通して世界にもっとアピールしたい。

『日本の美しい文字プロジェクト』は、教育的な観点も視野に入れながら、ワークショップと席上揮毫を、2008年・韓国より実施しています。

本プロジェクトの主旨にご賛同頂いております、一般社団法人日本書籍出版協会さん、独立行政法人国際交流基金さんには、この場を借りて、御礼申し上げます。

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