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物有り混成し、天地に先だって生ず。
寂たり寥たり。
独立して改めず。
周行して殆からず。
もって天下の母となすべし。
吾その名を知らず。
これを字して道という。

「道」は「径路」というよりもむしろ通路にある。
宇宙変遷の精神、すなわち新しい形を生み出そうとして絶えず    めぐり来る永遠の成長である。
「道」は道教徒の愛する象徴竜のごとくにすでに反り、雲のごとく巻ききたっては解け去る。
「道」は大推移とも言うことができよう。
主観的に言えば宇宙の気であって、その絶対は相対的なものである。

「岡倉覚三/茶の本 第三章より 」

 

 

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