エフェメラル・アートの第一人者である藤川靖彦さんの初の写真展「SAVANNA HOT-LINE」が恵比寿のアメリカ橋ギャラリーで1月26日(月)まで開催されている。藤川さんには、一昨年のイタリア ノート市でのインフィオラータ・イベントで大変お世話になった。日本の「書」を「花」というモチーフを用いて表現するという、モノクロームからカラーへ、二次元から三次元へと、自分ひとりでは到底実現出来ない形で、雅な日本文化を海外で紹介するというご縁を頂いた。今回の展覧会は、世界を飛び回り活動している藤川さんが、アフリカのサバンナでここ数年撮り続けられてきた写真が一堂に展示されている。
私は野生の動物たちの生態を追ったドキュメンタリー番組や「national geographic」が好きでよく見るのだが、その理由はおそらく、根源的な生命に溢れ、人間が人間の為に作り出した物が一切存在しない風景に触れることで、果てしない開放感を得られるからではないかと思う。そして、今回は藤川さんに誘われるまま、藤川さんのサバンナの写真に添える書を、何も考えずに、自由気ままに書いた。伝統書道という気負い、仕事としての責任感に全く縛られない書作の一時を楽しめたのだが、逆に、日頃いかに窮屈な状況に自分を追い込んでいるのかを実感してしまった。文字を書くことは、人間の「本能」。今年は書くということを楽しみたい。ありのままで(笑)
23日(金)には押し花作家の杉野宣雄さん、西洋カリグラファ―のヨウコ・フラクチュールさん、藤川さん、私の4人によるトークイベントが開催予定。普段まったく違う世界で活動している4人でどんな話が展開されるのか!?南アフリカワインも振舞われるそうだ。私の書と藤川さんの写真の合作も展示中。
photo by Yasuhiko Fujikawa