人日の節句と成人の日

“人日の節句と成人の日
昨日は「七草粥」の日であり、「人日(じんじつ)の節句」だった。そして明日は「成人の日」。

「人日の節句」は、日本では江戸時代に、将軍をはじめとする武家が七草粥を幕府の公式行事で儀礼的に食し、また庶民も食する祝日として、五節句の最初に位置付けられた。

さらに遡れば、秦の始皇帝による中国統一後、次の時代にあたる前漢という時代に始まった、新年にその年を占う儀式で、1月1日の“鶏”から始まり、7日が“人”、本日8日は“穀”を占う日(大切にする日…つまり無病や豊作を祈った)風習に由来。
官吏制度(科挙)が整えられた唐代では、官吏昇進が7日の朝に決まるということで、若菜を入れた汁物「七種菜羹」を食べ、立身出世を願ったとも言われている。

「七草粥」は、そうした中国の風習と、日本の小正月である1月15日(満月となる旧暦の1月15日前後)に、「望粥」と呼ばれる小豆粥、穀物七種(七種は“草”ではない)で作る粥を食べた風習、さらに1月~2月にかけて雪の間から芽生える若菜を摘むという風習などが結び付いたもののようだ。

それは邪気を払い、無病息災や長寿、その年の豊作を祈る、さらに若菜を摘み取って“頂く”ことで精気を養うというイメージが重なり合って出来た食文化と言える。

一方の「成人の日」は、以前は1月15日であったが、遡れば「元服の儀」を同日に行っていたとのこと。

私は「ハッピーマンデー」という制度に、どうしてもなじめないでいる。
週休2日制が浸透し、3連休にしてもっと余暇を過ごしてもらおうと、とくに“祭日”といったニュアンスも無いのに、単純にカレンダー上で休日を割りあてられているからだろう。

今日的にはなじみの薄い風習を、時代遅れ、あるいは科学的な根拠が無いとすることは易いことだけれど、前回記事にした「書初め」しかり、歴史に育まれてきた習わし、伝統行事には由来(理由)がある。
いつのまにか祝日が、人々の“消費”を促すことを目的にしているように思えてしまうのは、うがった書家の感性だろうか。


INFO.

NHKスペシャル・シリーズ題字担当/次回1月8日(日) 放送
「巨龍中国」14億人の消費革命 ~爆発的拡大!ネット通販~
(NHK総合テレビ)
初:2017年1月8日(日) 午後9時15分(50分)
再:2017年1月11日(水) 午前0時10分(50分)

日経ビジネスONLINE 連載「和道~日本文化 心のしきたり 美のこだわり」新春SP、茶道編は1月10日より4日連続で掲載予定

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