いっそう寒さが深まり、年末であることを肌で感じるこの頃。
先日、お正月には約300万人もの参拝客が集う成田山で仕事の打ち合わせがあって、その帰りがけに地下鉄の押上駅で降り、初めて“スカイツリー”を間近で見た。
東京ソラマチの商店街を抜けて広場に出ると、小雨も混じる風の冷たさ。はぁーと一息してから空を見上げると、天高くそびえるスカイツリー。
見る前は、初体験のワクワク感もあったのだけれど、既に頭にインプットされていることもあり、実際に目にしても、さほど驚きは感じ得なかった。
ただ同じ日、写真の“小さな木”を見た時に、私の心は奪われた。
寒さにその身をこがし、鮮やかに色づきながら色合いが少しずつ変わってゆく紅い葉。精妙に形作られている枝ぶり。枯草の地面をうっすらと染める落ち葉・・・
ふと「飛花落葉」という言葉が頭をよぎる。
常住と無常。
無常という観念によって美を捉えるDNAは、今も私たちに受け継がれているのかもしれない。