フランスパビリオン正面広場での公開揮毫の模様
先週、大阪・関西万博に行ってきた。といっても観光ではない。
フランスパビリオンで公開揮毫とセレモニーの出席にお呼び頂いた。
万博開幕の日から数えて、来館者が四百万人達成するというその日(2025.09.25)、フランスパビリオンが感謝の気持ちを込めた記念カードを配布し、そのカードにも記されたフランス館のテーマ「愛の讃歌」を揮毫させて頂くという役目を頂いた。
かねてから私は、伝統文化に根差した書を探究する過程において、日本とフランスの親和性を感じてきた。
館長であるジャック・メールさんも同じ想いをもたれていたという。
それは「手仕事」への深い愛情。
フランスパビリオンのパートナーであるルイ・ヴィトン、ディオール、ショーメ、名だたるブランドには、クラフトマンシップが遺憾なく発揮されている。
最先端といわわる技術、デジタルに置き換えられていく未来社会を見据えながら、それでも人間の身体感覚、‟いのち”の鼓動が生み出すモノを尊重する気持ち。
書も頭で思考した造形を、腕から指先、そして筆の先へと伝えてゆく複雑かつ繊細な表現手段のひとつ。
フランス館内には、オーギュスト・ロダンによる〝手〟の彫刻が点在して掲出されている。
そして、人と人を結ぶ〝赤い糸〟で結ばれているモチーフに置いているところは、フランスの日本への敬愛の念に他ならないと私は感じた。–後編に続く–
フランスパビリオン館長のジャック・メールさん、四百万人目の来館者との記念撮影
フランスパビリオン来館者四百万人 記念カード




