十五夜お月さまが今年は満月になるらしい。なんでも2013年以来、八年ぶりとのこと。
見ごろは19時から21時頃だとか。
いつもなら気だるくなりゆく日暮れだけど、沈みゆく陽と小さな虫の音に誘われながら、ちょっとした高まりを感じている。
もともと月を愛でる風習があった日本に、お月見のならわしが中国から伝わり、平安貴族に広まったという。
月を眺め、お酒を飲み、詩歌を詠んで過ごす優雅な時間。
外灯や室内照明で何不自由のない現代の生活の中で、宇宙旅行の対象のように語られる月も、いまよりずっと暮らしに密接した存在だったに違いない。
江戸の頃には庶民のあいだでも、秋の収穫への感謝や祈りと結びついて広まり、ススキや月見団子をお供えするようになったという。
外出もなかなかできずにススキもお団子も揃わないけれど、せめてものコロナによる混乱の収束と安寧な日々を祈り、先日おすそわけでいただいた農作物(野菜や果実)の砂糖菓子と折り紙で作ったうさぎを窓辺に供えて、心待ちにしようと思う。
地域によって状況は異なるとは思うけれど、皆さんもご自宅で、あるいは帰宅の途中に空を見上げて、このひとときをご一緒に。