他人事ではない

3月に入って、やっと春の陽気を肌で感じるようになった。
大自然はその周期を怠ることなく、淡々と着実に四季をめぐらせている。
ただ、そこはあるがままで、単なる繰り返しではなく、春と言っても毎年同じ春が来るはずもない。

ともあれ、そんな気候変動を科学によって解析しようとしまいが、庭先に温かさを見つけて気持ちが和むだけで、人は幸福を感じられる。
それなのに、海の向こうでは、他国を支配しようと戦争が仕掛けられている・・・。

これを戦争というべきか、侵攻というべきか、侵略というべきか、その解釈をめぐり、正確を期すことについて否定するつもりはないけれど、それはあくまで国語的な解釈の問題でしかなく、人の心の問題などではない。

ウクライナのキエフやロシアのモスクワに、国際交流基金からの要請で渡航したときのことを思い出している。
ロシアの人もウクライナの人も変わらず、日本のことを心から愛してくれながら、日本語を学び、書文化にも親しみを示してくれた。

時と場合と条件に流動的で、正しさの定義さえいとも簡単に変えられてしまう。
国の事情によって、一人ひとりが巻き込まれる苦しみを、他人事と思ってはいけない。

    天と地と

    11年

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