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洗心パワースポット 高山寺 編1/3

「パワースポット」というと、なんとなく〝ご利益を授かる〟とか〝エネルギーをチャージしてもらう〟など、何かを得ようとして向かうところ、一般的にはそう思われています。とはいえその一方で、得るのではなくむしろリセットされるように、身心が浄化されてゆくパワースポットがあります。
2020年まで日経リュクス(サイト終了)で連載されていた『洗心パワースポット』。名にし負う清浄なスポットを巡りながら、木下真理子が書家ならではの視線で、古より紡がれてきた日本人の「こころの源泉」を探ってゆきます。

石水院の西正面にある廂(ひさし)の間。落板敷(おちいたじき)の中央に鎮座する善財童子。吊り上げの蔀戸(しとみど)、菱格子戸を囲む緑葉はさながら緑のカーテン

日常生活では、複雑な人間関係や世間体などといった悩み、仕事では数字や売上目標などに追い立てられ、気づけば目に見えないストレスや言葉にならないプレッシャーで、息苦しい毎日を過ごしている……。

そんな日頃の疲れを優しく癒やしてくれる場所。それは深緑に覆われた寺院、神社なのかもしれません。 

高山寺の表参道。17枚の連なる正方形の石敷きと金堂へと続く亭々とした杉木立が、参拝者を境内へと誘う。空を覆う木々の合間からは、穏やかな木漏れ日も射し込む

思えば、山地でも街中でも、寺院には〝山号〟というものがあり、神社周辺の木立ちも〝杜〟と呼ばれるなど、その多くは緑に囲まれています。寺社を訪れて、心が洗われたと思うのは、仏教や神道における信仰という以前に、緑の茂みに包まれるような空間でひとときを過ごすからではないかと、あるときふと気がつきました。

そして、そんな場所を自分の中で「洗心パワースポット」と名づけました。

自然の中の寺院で、世俗から離れて身心をデトックス

今回ご紹介するのは、京都・栂尾(とがのお)に門を構える「栂尾山・高山寺(こうざんじ)」。 俗世から乖離(かいり)し、〝何物にも囚われない〟その贅沢こそが高山寺の魅力と言えます。

目に飛び込んでくるのは、抜け広がる自然の景色 。老杉や巨松、古楓が頭上を覆い、神護寺(じんごじ)へと続く清滝川のせせらぎも届くその境域は、雑多な物に囲まれ、殺伐とした情報に溢れた日常と対極をなす、静謐な世界───。

澄み切った鄙(ひな)の空気の中に佇んでいると、世塵が洗い流されて、清々しい気持ちになってゆきます。

科学的な見地でも、森林は木々の呼吸によって霧のような水の微粒子(マイナスイオン)が発生しやすい環境。ストレスの軽減やリラックス効果が得られるという

高山寺のある栂尾、そして槙尾(まきのお)、高尾(高雄とも)の三山は「三尾(さんび)」と呼ばれ、京都でも屈指の霊境とされてきました。この三尾は日本仏教の神聖な地であり、とりわけ高山寺は三尾の最奥に位置しています。

☞次頁:降り注ぐ霊境の気を、全身に浴びて

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