サイトアイコン 書家/書道家 木下真理子

ミラノ万博 公開揮毫

イタリアから帰国した。今回の渡航の主な目的は、ミラノ万博での公開揮毫。日本における伝統文化の一つである書を通して、日本の食の魅力を知って頂ければという想いを込めて書かせて頂いた。

中国の五行説由来の味覚を表す言葉に「五味」というものがある。
甘味・酸味・塩味・辛味・苦味
インドのアーユルヴェーダでは、これに「渋味」が加わる。

そして、日本で発見され、今や世界共通語となっている「うま味」も忘れてはならない。うま味とは、ごく簡単に言えば出汁のこと。
今回、私なりに日本食を象徴するような言葉をこの「五味」になぞらえて新たに考え、揮毫させて頂いた。
めぐみ・きわみ・たくみ・うまみ・なごみ
豊かな大地による「めぐみ」、良質な食材を使用する「きわみ」、伝統的職人の技による「たくみ」、出汁の文化や美味しさを表す「うまみ」、古来和を尊んできた「なごみ」。

トークセッションでご一緒させて頂いた兵庫県の井戸知事から、日本食の特性がよく表われているというお褒めの言葉を頂いた。兵庫県は、古代から平安時代頃まで「御食国(みけつくに)」として、朝廷に海産物を中心とした良質な食物を貢ぐという、重要な役割を担っていたという。ミラノ万博の日本館のシンボルは『コウノトリ』であるが、「コウノトリ育む農法」でも兵庫県は世界を先導し、環境への取り組みを行っている。

モバイルバージョンを終了