サイトアイコン 書家/書道家 木下真理子

落雁と散歩

先日、梅雨の晴れ間に出かけて、東急東横線の学芸大学駅で久しぶりに降りた。

以前は都心で特に人気の高いエリアだったと記憶している。最近はどうなのだろうか。これまでに2〜3回しか降りたことがないので、詳しいことは分からないけれど、駅前の商店街は10年前とあまり変わっていないような気がした。いや10年前というよりも、もっとずっと前から、この街の佇まいはこうだったのではないかと思う。気の趣くままに歩いていると、まだ昭和の香りが漂う。

本当は、もう右肩上がりの幸せを追いかける時代ではないと、皆、薄々気付いている。

「スクラップ&ビルド」「岩盤に穴を開ける」という言葉の通り、目まぐるしく変わっていくことで、物事の集中、効率、生産性が肯定されている。

一方で、変わらない、スピードを求めないことが、人に心の間を用意し、安らぎや優しさを与える。

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