サイトアイコン 書家/書道家 木下真理子

手と手をつないで

私が住む街では、毎年この時期になると駅前が眩いばかりのイルミネーションで彩られ、「ジングルベル」のメロディがそこかしこで流れている。
また少し離れたところにある、ひっそりとした公園では、大きな木がクリスマス・ツリーと化している。

電飾の明るさに暗闇を、温かさに北風の冷たさを、逆に感じてしまう捻くれ者の私。

この季節は、心が通い合う人、すれ違ってしまう人、サンタクロースを待っている人、信じていない人・・・それぞれだけど、きっと誰もが情緒的に過ごしている。

先日、書道講座の受講生から、少し早いクリスマスプレゼントで、“墨”の香りがするハンドクリームを頂いた。
「墨の付いた手を洗った後に、また墨の香りのクリームを塗るの?」という軽い冗談もあり、みんなで笑い合った。

肌が乾燥しがちなこの時期、クリームは必需品。有り難く使用させて頂いている。
アロマ成分も配合されていて、程なくいい香りが漂い、手は柔らかな潤いに包まれてゆく。
私はついでに心も解しながら、今年はクリスマスを受け入れようという気持ちになった。

みんなあっての私。

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