サイトアイコン 書家/書道家 木下真理子

グリーンパワー その1

先日、駅近くの商店街の裏道を歩いていたら、空き地に軽トラックが一台止まっていて、色とりどりの野菜が手売りされていた。
北関東の方から来たのだろうか、野菜を売っていたおじさんの喋り方に少し訛りが感じられる。
何か買ってみようかなと思い、私もその売り買いの輪の中に加わった。

キャベツ、カリフラワー、セロリ・・・野菜を手にとると、ぷ~んと土のいい香りがする。
私はブロッコリーを1つ、セロリを2つ、トマトを1つ買った。
スーパーのパック売りとは違って、欲しい数だけバラ売りしてくれるのが嬉しい。

そして、お会計を済ませ、茶色の紙袋を受け取った時のこと。
それは日頃耳にしている、事務的な「ありがとうございました」とはまったく異なる響き。

おじさんは満面の笑みで「ありがとねー」と言ってくれた。
自分で丹精込めて作った野菜を、人に買ってもらい、食べてもらえるという喜びがその言葉に現れていたのかもしれない。

「こちらこそ、ありがとう!」と私。
野菜をめぐる一期一会。

モバイルバージョンを終了