サイトアイコンサイトアイコン 書家/書道家 木下真理子

感謝の対象


今年もあとひと月と少し。庭木の千両は赤く色づき、ゆずの実も黄色に変わってきた。
食の自給率の話からはじまった今年最初のブログを思い出しながら、今も止まらない物価高のことを思う。
新米の価格も、高値が取り沙汰されていた昨年同期を随分上回っている。

毎食自炊派の私は、自分の身の回りのことしかわからないけれど、先日ニュースで興味深い事象が起きていることを知った。
キャッシュレス対応を一切受けつけていないスーパーが、今かなり狙い目であるということ。
この仕組みは至ってシンプルで、キャッシュレス導入で交わされている契約により、売り上げの3%を支払うことになっている店側が、その分をそのまま売価の減額へ反映させるという取り組みがなされている。
当然かもしれないけれど、その店を訪れている人たちは、キャシュレスでなくて困っている人は誰ひとりいなかった。

それから最近、九州より東京に初出店した「トライアルGO」というミニスーパーがあることも知った。
経営統合を行った「SEIYU」にも、この「TRIAL」名義の商品は一部並んでいる。
こちらはレジの完全無人化によって価格を抑え、物価高とは真逆に、通常の商品価格より値下げされている。おまけに安いだけではなく、味やおそらく品質もいい。
朝食はパンにすることが多い私は、あるブランドのベーカリーを好んで、わざわざ電車に乗り、買いに出かけていた。確かにそれは価格もそれなりで美味しかったのだけれど、最近この「トライアルGO」の食パンを知って買い、食べたところ、これがなかなか美味しくて、値段もそれまで買っていた食パン(6枚切り一斤)で比べると、およそ5分の1。

また先日は、友人に誘われて、エコに特化した、賞味期限切れやそれに近い商品を専門に扱うスーパーにも行ってみた。さすがに野菜関係は期限切れとまではいかないけれど、形が良くないとされる野菜を仕入れ、安価で販売してくれている。
そのスーパーで私は、賞味期限が完全に切れた調味料とパスタ、それからフルーツ缶詰とトマトジュース、チョコレートなどを試しに買ってみた。賞味期限が切れてしばらく経ってはいたけれど、味が劣化しているという様子はまったくなかった。

食の恵みは、たとえ人間が栽培しているものであっても、尊い授かりものであることに変わりはない。
その恩恵を、貴賎の別なくみんなで共有していくことができなければ、それは世の中のどこかに歪んでいるところがあるということなのだろう。

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