サイトアイコン 書家/書道家 木下真理子

少しずつですが、朝夜の寒さが和らいできていて、”春”という季節を感じられるようになってきました。 

春。日本独特の季節「春夏秋冬」の一番はじめであって、寒い冬の雪解けから、植物が芽吹くように、季節そして生命のいわばスタート地点と言えます。  

例えば、清少納言は枕草子の冒頭で、「春はあけぼの」春は夜明け(が良い)と綴りました。これは新しい朝が生まれてくる瞬間を、そこから感じる希望の日差し心魅かれたからでしょう。  

また百人一首には六首の春の歌がありますが、小野小町は「花の色はうつりにけりないたづらに 我が身世にふるながめせしまに」恋の想いに耽っているうちに桜の花の色はすっかり色褪せてしまった、と詠みました。

満開になる花とそれらに彩られる風景、そしてその裏に隠された恋の深さ。これらが全て詰まっている季節だからこそ、”春”は人々に待ち焦がれる季節なのではないでしょうか。

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