サイトアイコン 書家/書道家 木下真理子

春の香り

少しずつ春が深く、日中は冬のコートも必要ないほど暖かになってきました。この時期は、卒業式や入社式、また結婚式など イベントの多くなる、華やかな季節です。またそれと同時に、お祝いの手紙など“書く”機会も増える季節です。

するとよく「綺麗に書けたら書くのに」という悩みを耳にするようになります。ですが、本当の手紙の良さは、手の感触として気持ちが伝わること、字が体裁よく綺麗ということ以上に、書き手の費やした時間やその姿がみえて伝わるところにあるのではないでしょうか。また、そうした書き手も同様に、紙を通して相手の顔を身近に感じているのだと思います。

まずは素直な気持ちで手紙を書いてみること。その時にほんの少し春の香りがしたら、新しい想いが生まれてくるのだと思います。それこそが何より一番の実用なのではないでしょうか。

モバイルバージョンを終了