サイトアイコン 書家/書道家 木下真理子

花橘

毎日のはじめ、起きて一番にすること。冬はまずやかんに火をつけて暖をとって、それからゆっくり明るくなる窓を見ながらその日のテーマというような、一つの文章や言葉を見つけ出します。

Webページや新聞や、電車の中刷りやラジオのニュース。 特に講座の前には、その中から心に響く言葉やフレーズ、身につけておきたいことなどを気持ちで選びます。

先日はこんな一句が心に残りました。

「君が家の 花橘は 成りにけり 花なる時に 逢はましものを」

《成りにけり》は実がなるの意味で、《花なる》は花の咲いている(~にある)の意味。あなたの家の花橘はすっかり実になってしまって。花の咲いているもっと早くの頃に逢っていたかった。

橘の花は五月頃、冬に実をつけます。また日本原産の柑橘類では、花橘と他に沖縄のシイクワーサーと2種類だけ。

いつでも香り高く消えないことから、古事記では「非時香果」(ときじく)の実とも言われ、永遠性、そして尊い生命力が宿ると信じられていたそうです。

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