サイトアイコン 書家/書道家 木下真理子

秋の姿

暑かった夏が終わり、虫の音が心地よく感じられるようになりました。

もともと秋という季節は“もの悲しさを愉しむ”季節だと思っているのですが、今の時代は、秋に、街が急に騒がしくなる前触れのようなものを感じます。それは年末が目の前になったという焦りとでも言うのでしょうか、“崖っぷち”と言われる世界の影なのでしょうか・・・

したひ来る恋のやつこの旅にても身のくせなれや夕とヾろきは(源俊頼 千載和歌集) 

黄昏時、恋しさが募って心騒がせることを“夕轟き”(ゆうとどろき)といい、転じて夕方のもの騒がしいことも意味するそうですが、そんな時だからこそ、そっと足元に寄り添う紅葉に秋の美しさを感じることができるのかもしれません。

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