サイトアイコン 書家/書道家 木下真理子

美徳

昨今、新聞などを見ていると、事業仕分けという行為がさかんに話題になっています。そこにはお金を使おうとする側、お金を出そうとする側の対立の構図が見てとれますが、私は「??」と思ってしまいます。

税金の無駄使いは、あまり褒められたものではありませんが、ただ、そもそもお金というものは、何のためにあるのか、誰のためにあるのかという問いに対して、どれだけ正確に答えられる人がいるのかは疑問です。

とある方は、母上から頂いたたくさんのお金を、ある意味で〈国のために役立つ人間でいられるように〉と使ったようですが、そのことが問題にもなっています。見方を変えればそれは、美しくて徳のある行為とも言えなくはないでしょうか。

お金の使い道ということを考える時、なぜか“美徳”という言葉が浮かんできます。ただ、美徳という言葉は口にしたり、書いたりした瞬間に嘘くさくて、美しくて徳のあるものから最も遠いものにもなってしまいます。不思議なものです。

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