サイトアイコン 書家/書道家 木下真理子

あの夏の思い出

忙殺された10日あまり。必要なことをすませる以外は、相変わらず室内にこもってばかりだった。それでも2日前の午後3時頃、突然、今年初の蝉の第一声が聴こえた。
いよいよ夏本番。
今年の夏は久しぶりに海に行こう。何となくそんなことを思っているけれど、実現出来るだろうか。

夏と言えば“サザン”というくらいに、サザンオールスターズの曲は、日本の夏によく似合う。個人的に一番好きなのは、やっぱり「真夏の果実」。

ずいぶん昔に「稲村ジェーン」という映画のサウンドトラックを買って、それから数年間は、夏になるとそのCDを随分聴いた。「LOVE POTION NO.9」「忘れられたBig Wave」、「希望の轍」、もちろん「真夏の果実」・・・本当にキラキラした曲ばかり。こうしてタイトルを並べるだけで、当時の記憶も蘇る。
まだ世の中のことなどまったく分からず、狭い視界の中だけで生きていたけれど、満たされていた。

大人になった私は、物の捉え方が変わったのだろうか。
変わることは、必ずしもいいことばかりではない。変わることは失うことでもある。
マデリン・ペルーが歌う「Don’t Wait Too Long」を聴きながら、ふとそんなことを考えている。

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