春分 Mariko Kinoshita 8年前 今年も桜の季節が訪れた。 まだ寒さは残っているものの、温かさの入り交った風に背中を押され、足をのばして都心まで。 日頃、紙とばかりにらめっこをしているので、外に出ると、つい空を見上げてしまう。 「空」は目に見えている“そら”であるとともに、目に見えない“くう”でもある。 では「空(くう)」とは何か、自問自答してみる。 それは〈信じている人には見えて、疑う人には見えないもの〉、〈どんなふうにも明日を描けるもの〉なのかもしれない。