サイトアイコン 書家/書道家 木下真理子

和らぐ

暑さも少し和らいだようですが、いかがお過ごしですか?私はというと、先週の金曜日から高熱が出てしまい、ここ数日間は、朦朧(もうろう)としていました。

朦朧・・・

パソコンで打つとすごく画数の多い複雑な文字ですね。これは常用漢字ではありません。昨今、漢字のクロスワードパズルなるものが流行していて、多くの方々が漢字に関心を持っていらっしゃることは、漢字を専門としている私としては嬉しいことなのですが。

ただ、近代以降の日本の言語体系は、ひらがなをどう使うかということに意識を注ぐことがむしろ重要であり、そのバランスを文体とし、一人ひとりの個性が現れるところとなっています。言い換えれば、漢字を極端に多用した文体はあまり美しいものではなく、漢字とひらがながいかに“調和”しているかが、美しい文体の特徴ではないかと思います。

ところで、和風の“和”ですが、冒頭で記したように“和らぐ”とも用いられます。

和らぐ・・・

程度のはなはだしかったものがおだやかな状態になる。しずまる
堅苦しさやとげとげしさがなくなる。なごやかになる
やわらかくなる。しなやかになる
うちとけてむつまじくなる                    
 大辞泉より

 
やはりこのあたりに日本人の感性はあるのだと思いました。

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