サイトアイコン 書家/書道家 木下真理子

漢字文化圏に生きて

短期集中連載「台北 國立故宮博物院」展

 

第五話 漢字文化圏に生きて

もともと中国で発明された「漢字」ですが、毛沢東の文化大革命の流れで、簡略化されすぎた文字の形となりましたが、批判もあって揺り戻しが起こり、現在の簡体字となって使われています。ただ、台湾と日本では、漢字は正体字(繁体字)のままで使用されています。また、日本では漢字から仮名が生まれ、隣国である韓国は漢字からハングルが、ベトナムでは漢字からチュノムが生まれています。

昨今、国家間の摩擦は残念に思うところがありますが、私たちは、今一度、「漢字」という文化圏である者同士で、もっと心と心が寄り添えないかと願っている人は多いと思います。そういう意味でも、今回の『台北 國立故宮博物院』展は、漢字文化圏の人として、心の絆を再発見出来るのではないかと思います。

次回、最終回では、書家である私がお勧めというか、思い入れのある展示品、やはり「書」になりますが、それについてお話させて頂きます。

漢字から仮名への変遷表 木下真理子作成

第一話「二つの故宮」

第二話「文物への想い」

第三話「開催への道程」

第四話「人と人との絆」

第五話「漢字文化圏に生きて」

第六話「展覧会の見どころ」

モバイルバージョンを終了