人と人との絆

短期集中連載「台北 國立故宮博物院」展

 

第四話 人と人との絆

さて、現在の日本、中国、台湾の関係はどうかと言えば、43年前の日中国交正常化が執り行われる際に、日本は台湾を独立国と認めることを許されませんでした。今回の展覧会のポスターから、一部「國立」という文字が削除されていたということもこのような事情を含んでいると推測します。

しかしながら、東日本大震災の海外からの義援金の額では、台湾の人たちがアメリカの人たちに次いで、ごく僅差で第二位(日本赤十字社発表)でした。そこには物価の違いというものがありますので、台湾からは国民一人当たり、一カ月分の給料相当額を支援して頂いたそうです。それでも、第一回目の震災追悼式典で、日本政府の対応は、台湾の献花を認めることが出来なかったという、悲しい出来事がありました。

私たちはともすると、国家と国家によって世界は動いているように認識しがちですが、実際には、人と人の関係によって歴史は作られ、動いているのではないでしょうか。果たして日本人の支援がなければ孫文は辛亥革命を達成していたでしょうか/中華民国は生まれていたでしょうか/蒋介石と日本人との友情が無ければ、第二次世界大戦後に天皇制が保護され、大陸からの引揚者たちも無事に日本に帰国出来なかったのではないでしょうか・・・

そんなことも頭を過ぎります。

人と人との絆/台北國立故宮博物院展チラシ_1人と人との絆/台北國立故宮博物院展チラシ_2

第一話「二つの故宮」

第二話「文物への想い」

第三話「開催への道程」

第四話「人と人との絆」

第五話「漢字文化圏に生きて」

第六話「展覧会の見どころ」