東映 正月映画「利休にたずねよ」
利休が生きた時代は、中国・北宋の剛健で自由な書風から影響を受けた禅僧の書である「墨跡」と、日本の平安朝の優雅な「仮名書」が尊ばれた。そのような時代考察に基盤をおき、和漢が交差したフィーリング、この時代の和様美を意識しながら揮毫。
映画は『第37回モントリオール世界映画祭 最優秀芸術貢献賞』を受賞。
大友克洋 制作総指揮 映画「九十九」
この映画は付喪神を題材に、物に霊性が宿ることがテーマ。「古代文字」のように、象形にスピリチュアルな雰囲気を加味したものとして成立出来るかを試みている。
映画は『第86回米アカデミー賞』短編 アニメ部門にノミネート。
NHK にっぽんプレミアム
年間キャンペーン題字ということで、それぞれの季節ごとに書風を変えて書作。
春:薄墨を使い「滲み」で情緒感を表した
夏:「抑揚」を効かせながら強さを出した
秋:可読性ぎりぎりの「崩し」と「連綿」を使った
冬:禅林の「墨跡」的な書風を意識した
正倉院展
正倉院展の開催に際して、ポスター等の告知物で使用された5つのテーマを示す、5つの題字。恐れ多くも、日本屈指の御物の横に添えられた。“草意”を持ちながら行書で揮毫。
FENDI
西洋のカリグラフィーやグラフティと異なる、東洋の書の技法を用いてアルファベットを揮毫。この題字の制作にはイタリア本社のピエトロ・ベッカーリ会長兼CEOも積極的に関わられた。
日経BP 終戦70年企画「遺言」
基本的には均整がとれ、くせの無い「楷書」であるところを、少しアンバランスな頃合いを加えながら、かつ重厚感も同時に出せるように意識して揮毫。
KADOKAWA 大型歴史小説「天地雷動」
徳川美術館所蔵の「長篠合戦図屏風」に合わせられるということで、背景の絵に負けないように「筆圧」をかけて力強く、また書が立体的に浮き立ってくるように書作。
NHK総合 ドラマ10「激流」
丸味を帯び、柔和な「和様」という日本風の書として揮毫。ただし、大らかという感じではなく、シャープでアグレッシブなものになるように意識した。
NHK総合 『巨龍 中国』
NHKスペシャルにおける、シリーズもののオープニング・タイトル。深淵な闇の向こうで少しずつうねり動く3Dの竜と書とが絡み合う。現代中国のパワーとスケールが感じられるように、ひねりを加えずストレートに書作。
慶應大学 経済学部
福澤諭吉による、慶応大学の伝統あるスローガン。当時使われていた旧字体で表記で、「隷書」の意を持って、特に「擦れ」を効かせながら揮毫。
本題字を使ったプロモーションビデオが『カンヌライオンズ2015』でSILVERを受賞。
KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭
岡倉天心縁の地で開催の国際芸術祭「KENPOKU ART 2016」のキーヴィジュアル、「海か、山か、芸術か?」の題字を担当。頭の中でイメージを固めた上で、公開揮毫のように一気呵成に揮毫。
誕生!中国文明 展
日本初の三大国立博物館巡回、中国文明のルーツに迫る大展覧会ということから、隷書の中でも“古隷”の素朴で古風な書風を意識して揮毫。