先日、ある雑誌媒体の取材を受けた。テーマは「捨てること」の大切さについて。普通に生活をしていると、ついついモノは溜まってしまう。私の場合は、出来るだけモノが増えないようにするために、そもそも収納家具を持たないようにしている、といったことをお話しさせて頂いた。しまうところがあれば、つい気を許してしまうし、収納家具が無ければ、床やテーブルにしかモノが置けないので、煩雑にならないように、常に不要なものに見切りをつけるようになる。特にストイックに生活しようと意図するものではなく、モノが無ければ、その分の「空間」が生まれるという考えが昔からある。
おそらく書道を通して、常に「余白」の生かし方を考えてしまう書家の性分なのだと思う。
(インタビュア:永田玲香さん)