国際ブックフェア

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一昨日は、有明の国際展示場で開催されている『東京国際ブックフェア』に行ってきました。私が主宰しています『日本の美しい文字プロジェクト』では、とてもお世話になった日本書籍出版協会の事務局長であられます樋口さんをお訪ねしたのですが・・・ちょうど会場で行われていた前田義子さんのトークショーの司会をされている最中で、きちんとご挨拶も出来ませんでした。ただトークショーは、文部科学大臣賞を受賞された前田さんの出版物である『われた魯山人』(フォクシー刊)のお話がとても興味深くて、是非この本を読んでみたいと思いました。

そして、そのイベント会場の横には、「アラビア書道」と書かれた意味深な(笑)ブースがあり、一度は通り過ぎたのですが、後ろ髪をひかれるように、向ってしまいました。展示されていたアラビア文字は、本当に美しかったです。手持ちのiPADで調べてみたところ、アラビア文字というのは、紀元前3世紀から紀元後3世紀頃まで勢力を誇っていた、あの世界遺産で有名なぺトラを中心とする、ナバタイ人が使用した「アラム文字」がそのルーツとありました。

しかも、このアラム文字というのは、インドのサンスクリット語を表記する「ブラーフミー文字(梵字・ぼんじ)」のルーツでもあると!

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アラビア文字の例                      梵字の例

ということは・・・日本には仏教の伝来とともに、漢訳された経典と合わせて梵字、日本的には「悉曇(しったん)」と呼ばれる文字が入ってきたので、日本とも関係があるわけです。梵字は、日本では難解なものだと捉えられて、仏法において、神聖な文字として崇められてきました。そして、“弘法筆を選ばず”で有名な空海は、密教を学ぶ過程で梵字もマスターしていたようで、彼の書法において、この梵字の字形のフィーリングを、漢字の書作に取り入れていたのではと思われるところがあります。つまり、「アラビア書道」と「日本書道」は、団子3兄弟ならぬ「中国書道」と合わせて、書道3兄弟(笑)になるわけですね。

そこには数千年という、文字の歴史がそれぞれにありますが、アラブ世界・インド・中国・日本を繫ぐ“接点”が実にさりげない形で用意されていて、「国際ブックフェア」というイベントは凄いですね。

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 空海の書「真言七祖像」より 京都・東寺   

さて、昨日は「おとなの書道塾」という集中連載が掲載された『日経おとなのOFF』が発売となりました。難しくなく、しかし初心者すぎることもない内容になるように工夫を凝らしていますので、すでに書道に興味がある方も、これからの方も、ご覧頂けると嬉しいです。

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    米と書

    七夕

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