等身大のメッセージ

桜とともに、今年も同じように巡ってきた春という季節。
ただ、私たちの心中には先行きがわからない、不安を抱えながら過ごしている。

そんな中で、先日ディープ・パープルという世界的なロックグループが、官邸を表敬訪問したことがあった。
そして、ふたりの大物アーティストが、ひとりはコメントで、ひとりが歌唱で、時の為政者を称賛し、それが批判の的となった。
ロックは反権力の象徴だから、権力におもねるなど言語道断!とするのが批判する側の思想で、いやいや一個人がどんな政治信条を持とうが自由なはず!とするのが肯定派。
素直に思いを語ったことが、ことさら批判の対象になるから、なかなか自分の考えを公にできないと、そんな意見もある。
はたまた、反体制という姿勢自体がもう古臭くて、それはもうロックの革新性とは言えない、などなど。
多様性といわれる世の中で、いずれの考え方にも真理はあって、興味深い。

この話の論点は、見方を変えれば、ロックはビジネスか、それとも生き方なのかという問いに関わることではないかと思う。
個人的には、ロックに限らず、アーティストが生み出す作品は、ビジネス感覚が優先した商業音楽より、ピュアネスなものであって欲しいと思っている。
権力に対しては本来、ジャーナリズムが向き合うべきものだと思うので、私はロックアーティストが反権力であるかどうかはあまり気にならない。

とはいえ、冒頭部分だけしか見れなかったけれど、インターネットで見た、☞ブルース・スプリングスティーン&Eストリートバンドのライブは、素直に格好いいと思った。
〝カッコいい〟という修飾語こそ、ロックに最も相応しいキーワードではないかと思う。そこには、年齢に関係なく、ロックという生き方を体現してきた人間の真の言葉と音楽がある。

スプリングスティーンは、どんな権力者もかなわないくらいカッコいいと思ったし、2曲目の「Born in the U.S.A」で描かれたアメリカは今も変わっていないのかもしれない。
ちなみに、この曲はアメリカが唯一勝てなかった、ベトナム戦争の帰還兵の苦悩が歌われているけれど、スプリングスティーンはフォード社からこの曲のCM使用を求められて、5~10億円を提示されても許可しなかったという。

    巡り合わせの奇跡

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