ゴールデンウィークは、いかがお過ごしでしたか?私は、今月、イタリアに1週間ほど渡航する関係で、その前に終わらせておかなければならない仕事が山積みとなっており、なかなか連休気分を味わうという状況ではありませんでしたが・・・それでも、合間を見ては外出して、気分転換をしていました。
昨日は、代官山にある、噂の蔦屋書店に行ってきました!オープンしてから既に1年半ほど経っているようですので、ようやく行けたという感じですね。以前、このブログでも記事にしたことがありました、丸の内の丸善という書店の中の『松丸本舗』という、松岡正剛さんがプロデュースされていたお店が昨年秋に閉店となってしまい、少し落胆していたのですが、ここは、そこに代わるお店として気に入ってしまいました!とにかく、新刊だけでなく、古書、洋書、希少本が豊富です。その場にいたお客さんも、皆、思い思いに、本と過ごす時間を存分に楽しんでいるようで、とても幸せそうでした(笑)。都会の真ん中にあって、メジャー向けではなく、マイノリティ層へ向けられたサービスは、やはり貴重だと思います。どうかこのまま、けして坪単価の売り上げという目先の利潤だけを追い求めたりしないでください、などと勝手に思ったりしてしまいました(笑)。
私はタブレット端末で電子書籍をダウンロードしたりもするのですが、どうしてもアナログ趣味の人間なので、本は情報や知識を得るという以前に、装丁や印象といった“物”として求めてしまうところがあります。古書もその味わい深い雰囲気に魅せられてしまい、ついつい買ってしまいますが、私にとって本は、女性が宝石やアクセサリーを求めるような感覚で購入しているのかもしれません。そういえば、以前、片岡義男さんと小西康陽さんが共著した本に次のようなことが書いてあり、とても感動したことを思い出しました。
「どうしてこれほどにLPを買うのか、その理由はただひとつ、買わないことにはなにも始まらないからだ」
(片岡義男)
さて、ゴールデンウィーク前半には、これもまた気になっていた映画『ヒッチコック』を観に行きました。アンソニー・ホプキンスの映画は、昨年、『最終目的地』という映画がとても素晴らしかったので、期待してたのですが、この作品も期待を裏切られることがない、素敵な映画でした。この映画は、ヒッチコックの代表作である『サイコ』の制作にまつわるメイキングムービーとでもいえるような内容ですが、全てを犠牲にしてまでも、映画制作にのめり込んでいく彼の狂気に、畏れおおくも、共感を覚えてしまいました。また、大変な美食家であり、邸宅の装飾など美へのこだわりも半端ではありませんので、そうした彼の1950年代におけるライフスタイルも垣間見れて、その点でも楽しめました。こだわりは度を越すとマニアとかオタクなどと呼ばれて、敬遠されたりもしますが、歴史に名を残してきた人物は、皆どこか偏狂的なところがあるのではないでしょうか。そして、私たちはそんな彼らが残してくれたものを享受しては、こころの豊かさを得ている気がします。
「私にとって映画は、人生の一片ではなく、一切れのケーキだ」(アルフレッド・ヒッチコック)