洗心パワースポット 知恩院 編3/3
法然を身近に感じる、知恩院発祥の地
阿弥陀堂の先には、法然像が祀られている「御影堂(みえいどう)」があり、御影堂の裏の「智恵の道」から108段の参道階段を進んでいくと「勢至堂(せいしどう)」、さらに階段をのぼると法然の御廟(ごびょう)に至ります。
勢至堂は、1530年に再建されたもの。ここはかつて法然の住居だった「大谷禅房」があったところだそうです。知恩院の中でも、この周辺にはひときわ気高い空気が流れているような気がします。
また大鐘楼も、知恩院の名所の一つです。奈良・東大寺と並び、日本三大梵鐘(つりがね)に挙げられるこの大鐘の鐘撞きは、除夜の鐘ためし撞き(12月27日)、大晦日、御忌大会(ぎょきだいえ、4月)に行われます。
五臓六腑にまで響き渡るダイナミックな鐘声は、もやもやした思いや煩悩をきっと払い除けてくれることでしょう。
この大鐘、アインシュタインが来日の際に、音の実験を行ったとか。科学と宗教は対極にあると考えられてもいますが、意外なことに西洋の名だたる科学者たちは、仏教をはじめとする東洋思想に解のヒントを求めています。
実験と結果という実証を重ねてゆくように、比叡山であらゆる仏教学問を積み上げ、「智慧第一の法然房」とまで称された法然が、悟りへの道筋に、あえて念仏一つだけを選び取った決断は、やはり〝他力〟という存在に強い確信を得ていたからに違いありません。