時代という波

時代という波

今週、駅の売店で、びっくりして、思わず買ってしまった雑誌『Newsweek 』。特集は“本と雑誌と新聞の未来”というタイトルでした。これは単なる活字離れが増えているという類の話を取り上げているのではなく、電子出版による今後の“紙メディア”の在り方について説いています。

紙の発祥は2000年以上前で、現存する印刷物の最古のものは『「百万塔 陀羅尼(ひゃくまんとう だらに)』という日本の書物で、これは奈良時代のものであるそうなので、1200年以上も前のものということになります。 言うなれば今の時代は、それ以来の“書物”というメディアの大変革が起ころうとしているわけです。『Newsweek 』では、メディアによって記事の作られ方も変わると示唆しています。

インターネットを前提に電子出版として作られるものであれば、著者はアップデートで記事を更新でき、また様々な資料、ある主張に対する反対論と賛成論、動画や音声、読者のコメントなどへリンクが貼られるような文章になると。考えてみるとこれはすごいことだと思いました。

出版社や新聞社の収益源でもある広告の在り方はもちろん変わると思うのですが、読み手である人々の意識の在り方やそれを反映する世相の在り方まで影響を及ぼすものではないでしょうか。そんな世紀の大変革は、もう既に始まっているようです。

五木寛之さんの新聞の連載に『流されゆく日々』というタイトルがありますが、みなさんは時代の流れに乗ろうとするタイプですか?それとも流されるままに生きていこうとするタイプですか?私はといえば、波に流されることも飲まれることもなく、水中でスイスイ泳いで生きることができたらいいのになとつい思ってしまいます(笑)。

『野ばら』揮毫 in フランクフルト

蕾、再び   

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