2008 「沈佺期(しんせんき)詩」
H228×W53cm
(第25回読売書法展 於:国立新美術館)読売奨励賞
書き下し文
「待宴安楽公主新宅応制」 (七言律詩)
皇家(こうか)の貴主(きしゅ) 神仙(しんせん)を好(この)み 別業(べつぎょう)初(はじ)めて開(ひら)く 雲漢(うんかん)の辺(ほと)り 山は出(い)でて尽(ことごと)く 鳴鳳嶺(めいほうれい)の如(ごと)く 池は成(な)りて飲竜川(いんりゅうせん)に譲(ゆず)らず 粧楼(しょうろう)の翠幌(すいこう) 春(はる)をして住(とど)まら教(し)め 舞閣(ぶかく)の金鋪(きんぽ) 日(ひ)を借(か)りて懸(か)く 敬(つつし)んで乗輿(じょうよ)に従(したが)って 此(こ)の地に来(きた)れり 觴(さかずき)を称(あ)げ寿(じゅ)を献(けん)じて 鈞天(きんてん)を楽(たの)しまん
意味
帝室の皇女なる安楽公主には、神仙の術を好まれ給い、このたび別荘を設けられるにも、神仙の住む天界の、天の川のほとりかと思われるところに邸宅を建てられた。ここに築かれた山々は、すべて鳴鳳の山のように見え、掘られた池は、渭水の大きさにも劣らない。そして公主の住み給う楼閣の、緑のとばりの中には、永遠に春をとどまらせ・・・
出典
唐詩選