それとなくと”そのもの”

先日、石川土産の落雁をいただきました。二年前に行った金沢のことを思い出しつつ、一つひとつ、違う香りを楽しみながらいただきました。

もともと日本には“細工”というものが似合っていました。それは“小細工”という意味ではなく、手先を利かせて、丹念に時間と心を込めているものです。例えば、織物・漆器・寺院の庭・浮世絵・能の面など、細やかに整えられた丹精な力とその流儀。

今の大量生産の時代では、“それとなく”“そんな感じ”という物が増えていて、手に入れる側もそれらの本質についてなど考えていません。

「物は大事に」小さな頃によく言われた言葉ですが、理由もわからずに守っていたこの言葉の裏側には、知らずしらずそうした良いものを見て考える力をつけさせるための意味合いがあったのではないでしょうか。