未来への遺産

日本人は古くから奇数を縁起の良い数字としてきたところがあります。思い浮かべてみますと、ハッピーマンデー制度に該当しない祝日や記念日の多くは奇数です。1月1日、3月3日、5月3日、5月5日、7月7日 11月3日、11月23日

これは古代中国から伝えられた陰陽思想の影響もあるようです。陰陽思想では偶数は陰の数とされ縁起が悪く、逆に奇数は陽数として縁起の良い数とされています。さて、来週は2009年の9月9日というまさに特別とも言える日があり、その日、ビートルズ初のリマスターCDが発売になるそうです。ジョン・レノンが自身の誕生日が9日ということから、“9”が一番好きな数字であるということはビートルズ・ファンには知られた話ですが、これはやはりスペシャルな出来事ですね!

リマスターとは、RE-MASTERという言葉通り、オリジナル原盤を最新技術を用いて、修復、復元するということですよね。レコーディング時の音(空気感)をよりリアルに感じたい、いわばオタク(笑)なリスナーのための企画と言えなくもありませんが、ビートルズは確実に後世に残る芸術ですし、人類にとっては遺産ですから。それにしても、余計なノイズが軽減されたり、フィルターがかったようなものがとれてクリアになると、同じ曲でも随分と印象が変わるから不思議ですよね。またそのことによって、新たな発見があるのも、リマスターの魅力です。私がビートルズのリマスターで是非聴いてみたいのは、2枚組の大作、『ホワイトアルバム』(通称)です。ストレートなROCK’N’ ROLLから、サウンドコラージュ的な実験音楽、カリプソや、ハリウッド映画のようなオーケストレーションが入った曲などバラエティに富み、またメンバーそれぞれの個性がいい意味で一番際立っているアルバムだと思うからです。

未来への遺産

音楽を鑑賞する時、単純にその曲やアルバムの世界観に浸ることももちろん楽しいのですが、作り手がその時にどんなことを考えてそれを作ったか、そんな観点で作品を鑑賞するということもまた違った楽しさがあります。それは天才と呼ばれる人たちの思考や感性に触れ(疑似体験出来て)、創作過程の秘密を解き明かすということでもあります。ミステリー小説を読む楽しさにも近いのかもしれません。秋にピッタリの、私にとっては極上のエンタテイメントです。