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洗心パワースポット 知恩院 編2/3

歩きながら癒やされる、緑の巡礼路

三門をくぐると目の前に現れるのが急峻な「男坂」。

知恩院は、山号にもなっている華頂山(東山三十六峰の一つ)の山麓に位置し、下段(三門と塔頭)、中段(中心伽藍)、上段(開創当初の寺域)に区画されていて、どこへ行くにも階段や坂道をのぼっていきます。適度に負荷がかかり、日頃ウォーキングをしている人には、有酸素運動と同じ効果が感じられるでしょう。

男坂。ハリウッド映画『ラストサムライ』のロケでも使用された。険しい階段(51段)を避けるなら、少し遠回りにはなるが、緩やかな傾斜の女坂(71段)から歩いてゆく経路もある

また境内に生育する椋(ムク)の木、花の木、伊吹、榎、蘇鉄(ソテツ)など多様な樹木の姿を眺めながら歩いていると、どこかに誘われているような気がします。

男坂を上がると、左手に知恩院の御本尊・阿弥陀如来座像が祀られている阿弥陀堂が見えます。

堂正面には、後奈良天皇により「大谷寺」と揮毫された勅額が掲げられている。常に民衆の平安と安寧を優先していた天皇であったと伝えられている

「他力本願」という言葉。現代ではあまり肯定的に使われている言葉ではないように思います。山に籠り、自力難行に向き合った高山寺の明恵(第一回参照)も、他力易行(たりきいぎょう)を批判していました。

とはいえ、物事は自力のみで達成することの方が少なく、たとえ物事がうまくいったとしても、世の流れにあってそれは、何かしら他からの力が作用していると考える方が無理がありません。 

阿弥陀如来の本願(慈悲)による〝他力〟の尊さを説いた法然。それは混迷を極めた世において、民衆の心の救済こそが急務と考えたからに他なりません。

社会生活に渦巻く欲望や妬み、憎しみに今も昔もありませんが、この現代においても、〝他力〟に身心を委ねてみることで、肩の力が抜け、生きやすくなるということはあると思います。

阿弥陀如来は限りない光(智恵)と限りない命を持った極楽浄土の主。浄土宗、浄土真宗では、人の過ちを赦し、悪人こそが救済されるという「悪人正機」を強調している

平穏な時間とは、まさにこのことでしょうか。お堂というと、空気の張り詰めた空間をつい想像してしまいますが、穏やかな表情の阿弥陀如来座像は、圧倒されるというより、優美で麗しい佇まいで、参拝者を包み込んでくれます。

私は、極楽浄土があるとされる西方から東方へと面して坐す阿弥陀如来座像に手を合わせながら、目をとじて、遥かなる浄土へ思いを巡らせました。

☞次頁:法然を身近に感じる、知恩院発祥の地

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