不老

世代別にどんなアニメーションを観て育ったかということがあるので、リアルタイム世代ではない私に言う資格はないのかもしれないけれど、『銀河鉄道999』はこれまで観たアニメーション映画の中でも特に好きな作品の一つ。たしかにモチーフとなっている宮澤賢治の『銀河鉄道の夜』が好きということはある。でも、この作品はそれとは異なるテーマで創作されている。

そのテーマとは、〈機械の身体を手に入れるか、生身の人間のままでいるべきかという選択〉について。そこには“青春”と“成長”というキーワードが潜んでいる。
限りある時間の中で生きているからこそ、“青春”は輝き、“成長”することにも尊さがある。

作品のキャッチフレーズは「時間は夢を裏切らない  夢も時間を裏切ってはならない」で、これは〈時間というものは、自己実現を目指す人、夢見る人の味方〉という原作者の松本零士さんからの優しいエールととれる。

考えてみたら「不老」という言葉は、夢をいつまでも忘れずに抱き続ける人にこそあてはまる。

不老

※先週発売の『日経ビジネス』で「不老」の題字を書かせて頂きました。中国漢代の「隷書」という書体の“隷意”を持って書作しています。

書家の課外活動

足らぬを知る

関連記事

  1. 国立国会図書館

    2022.09.01
  2. 別れと出逢いの季節に

    2016.04.03
  3. 遺言

    2014.12.30
  4. 夏目漱石『こころ』

    2014.06.18
  5. 感・覚

    2021.09.13
  6. 一人ひとりの毎日と書道

    2019.05.11
PAGE TOP