光と闇

この頃、東の豊洲、西の豊中と騒がしい。
「豊」は、脚の高い食器に黍・稷(きび)などの供え物が多く盛られた象形。そこから「おおい、ゆたか、さかん」の意味となった。
「豊」という字が付けられた地名は多いが、その裏には「豊」になって欲しいと、土地への願いがたいてい込められているように思う。

人の言動もこれに似ていて、その人の本質は、見た目と逆なことが多い。一見いい人そうな印象が実は装いであったり、世間で憧れられるような会社ほど、そこで働く人が悩み苦しんでいるなんてことも。

書道においては〈書は人を表す〉と言われる。この言葉の真意についてはまた別の機会に。ただ少なくても〈その人の素姓がそのまま書と一体になって露わになる〉ことではないと言える。何故なら、私が書く字は強くて鋭さがあるとよく言われるけれど、性格はいたって臆病で、優柔不断なのだから。

とりとめの無い話になってしまったが、結局、人は誰しも“自分に無いものを求めている”ということ。それは願い、理想と言えば聞こえがいい。でも欲望や野心と裏腹なもので、どちらに転じるかが、まさにその人の人格なのだと思う。

人格は、そうそう見えるものではなく、ちょっとした細部や漂う空気に表れる。

    嗚呼、昔も今も

    梅の香

    関連記事

    1. 美文字のルーツ

      2013.03.01
    2. 余白の時

      2016.07.26
    3. 小休止

      2012.11.01
    4. 神技・・・、それは人技

      2011.03.11
    5. 広告賞

      2016.06.05
    6. info.日経ビジネス連載『和道』茶道編2

      2017.01.11
    PAGE TOP