未知との遭遇

現在、日本橋の三井記念美術館で開催されている『驚異の超絶技巧!』展の内覧会にご招待頂いた。
この展覧会は、“明治工芸から現代アートへ”というテーマのもとに、日本が世界に誇る伝統工芸の技を持ったアーティストたちの作品を展示している。

最近のアート作品は“ハイテク礼讃”というくらい、テクノロジーが駆使されているものが多いけれど、ここで見られる作品は、全て人の手によって生み出されたもの。
データは正確かもしれない。
でも、書家である私は、眼で見た感覚、判断を信じることにしている。
数値化出来ないニュアンスが決め手となるということもある。

正確が正解とは、限らない。

展覧会の監修は山下裕二先生(日本の美術史家、美術評論家)。
実は昨年、某雑誌の「若冲」特集の時にお声掛けくださり、おこがましくも一緒に出演をさせて頂いた。
久しぶりにお会い出来て嬉しかった。

この展覧会には、もう一つのご縁があって、招待作家の加藤巍山さん(仏師、彫刻家)の雅号と屋号を書かせて頂いている。
巍山さんの圧巻の作品は、公式ホームページで観ることが出来る。
でもやっぱり、いろいろな角度から観ることが出来る実物を観て欲しい。
写真の作品のモデルは徳川家康で、肖像画から3次元へ表出された「しかみ像」。
もうこの世に実在しない家康が、目の前で、張り出すように悔しさを語りかけてくる。

見方を変えるなら、この世に存在している作品が、この世のものとは思えない強いオーラを放っている。

※プレス内覧会にて撮影

厳かなるもの

何が違うのか

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