先日、渋谷で行われたnanacoさんのライブに伺った。nanacoさんは現在、日経リュクスというWEBサイトで掲載中の「洗心パワースポット」で写真を撮ってくださっているけれど、もともとは音楽家。とてもスピリチュアルな方。
ライブ会場の「Galaxy-gingakei」は、原宿と渋谷の中間あたり、明治通りにほど近い場所にあった。私は明治神宮前駅で電車を降りて、夕日が射す明治通りを会場まで歩いて向かった。
久しぶりとは言え、この街の変化には驚かされる。見知らぬ建物が次々と建ち、前にあった店は違う店に変わっていて、それもかなりの数の店が入れ替わっていた。ふと、ラフォーレ原宿の裏口にあった「F.O.B.」のオープン・カフェで、よくカフェオレを飲んでいたことを思い出した。そこも今はもう無い。
ライブ会場に着くと、来場者の雰囲気に私は少しホッとした。それは同じ時代を生きてきた、そんな雰囲気をその人たちに感じたからかもしれない。
nanacoさんのライブもすごく素敵だった。
音楽は“素敵’という言葉か、”カッコいい”という言葉にピッタリと当てはまるものが私の好み。nanacoさんのライブは、幻想的でどこか懐かしくもあり、現代アートの作品のように先鋭的だった。今もたまに「4AD」という英国のレーベルの音楽を聴いているけれど、nanacoさんも以前、この4ADから作品をリリースされていた。
最新作「Nioi」は、あのパティ・スミスの娘であるジェシー・スミスと即興でコラボレーションされたものとのこと。その曲もライブで披露されていたが、やっぱりカッコいい!
最近は、ファッションにしても音楽にしても、私はトレンドに疎くなってしまった。ただ変わりゆく時代の中でも変わらないもの、円熟してしまうのではなくいつまでも尖っているものに、私は惹かれてしまう。
沢田研二さんのことが近頃話題になっている。彼の頑なさが好きだ。まさにロックだと思う。何だかんだと言う人はいるけれど、“常識”なんて言葉はロックには不似合いだし、相変わらず現役で、あれだけの本数のライブツアーを行っているアーティストなんてそういない。
変わることより続けていることの方が、きっと難しい。