先日、雑誌『墨』の連載で担当してくださっている編集者の倉岡さんと、目黒の雅叙園(百段階段)で行われている「いけばな会」に伺った。
藤原素朝さん一門の「梶井宮御流」のお花を観賞させて頂くことが目的だったのだけれど、以前、素朝さんがエバレット・ブラウンさんとコラボレーションされていた作品は、横浜の三渓園で拝見させて頂いたことがあった。またその後、ご本人とも何度かお会いする機会があり、その麗しくて、でも気さくなお人柄にも惹かれていた。
今回は素朝さん直々にお手紙とご案内状を頂き、はじめて素朝さんの“生”の作品を鑑賞することが出来た。
“一瞬の中の永遠性”。それこそが“いけばな”の本質なのかもしれないということを、その作品は教えてくれた。
ここだ!という一瞬の輝きを生み出す芸術。
私は野に咲く慎ましやかな花も好きなのだけれど、花をいけるという行為は、人間と花とが一つになることであり、そこには思想・観念も込められている。さらにその花は鑑賞者の記憶に刻まれる。写真も同じように“一瞬の永遠”であるので、三渓園の時には気付かなかった。
素朝さんの作品は、私のつたない写真でも分かるように、ご覧の通りインスタレーションでもある。