京都の貴船神社は縁結びの神様として人気が高く、絵馬の発祥でも知られており、隣接する鞍馬山とともにパワースポットとしても名高い。もともと京都の人々の暮らしに密接に結びついている鴨川の水源近くということもあり、水の神様としても信仰を集めていたそうだ。
御神木も然り、水への信仰心も持っていた、そうした日本人特有の感受性は大切にしていきたい。
貴船神社の公式HPには印象的な説明がされている。
〈古来、日本人は川上への憧れがあった。「澄む」という字は、「川を登る」と書くように、川上は清浄な場所であり、モノを生み出す神秘の処であった〉
その“御神水”は弱アルカリ性であるという。同HPには次のようにも述べられている。
〈3年以上汲み置きした御神水を水質検査したところ、腐らず変色もなく雑菌の繁殖もなく、非常に良質の水と判定されたのである。 古くから茶人がお茶を点てるのに珍重されていることも、それを実証しているのかもしれない〉
書道のことで言えば、固形墨や硯にこだわることは一般的に知られているが、ある高名な書家の先生が、書作で「エビアン」というフランスのミネラルウォーター(弱アルカリ性の硬水)を常に使用しているという話を聞いたことがある。
御神水は持ち帰ることを許されていた。何かの機会に、大切に使わせてもらおうと考えている。