ただの日用品、されど

ある日用品が必要となって、インターネットでいろいろ調べていたら、かつてよく利用していたF.O.B COOPというお店が、昨年末に閉店していたことを知った。オンラインショップの方はまだ利用ができるようだけれど、実際の店舗と比べると品目も少ない。

確かこのお店を利用しはじめたのは、『アピルコ』社のカフェ・オ・レ・ボウルを購入してから。《日常で使う実用品だから何でもいい》という感じではなく、《日常で使うからこそ、使う度に愉しみが味わえるものを》という感覚で、一つひとつのものが丁寧にセレクトされていた。

どんなものにも、それが生まれた文化的背景と育まれてきた歴史がある。日本の古代思想において、“物”=“霊”と捉えられていたところがあるが、やはり“もの”には、“ものがたり”が付帯しないとつまらない。

私の場合、日用品でも“ものがたり”を感じながら使用することが愉しいし、デザイン的には飾り気がなく、でも狙ってそうなっているのではない頃合いのものがいい。なかなか難しいことではあるけれど、やはり一生に渡って関係の続くものを見つけたい。

F.O.Bで出会ったカフェ・オ・レ・ボウルとも、20年ほどの付き合いになる。

ただの日用品、されど

京都 貴船神社

伊勢ブラ~すさびとブルース~

関連記事

  1. 書家の課外活動 2016.10

    2016.10.28
  2. やり過ぎない

    2016.06.11
  3. 夏のはじまり

    2017.07.15
  4. 別れと出逢いの季節に

    2016.04.03
  5. 海か、山か、芸術か?

    2016.06.30
  6. 人生は分からない

    2016.01.19
PAGE TOP