書道において、心に留めなければならないこと。
それは、書作では“やり過ぎない”こと。
しかし、これがなかなか難しい。
気づいた時には、昨今流行語ともなっている“ドヤ”な、ただの暑苦しいものとなってしまう。
自己顕示欲は、美しいものではない。
また文字を書くという行為に装飾を加味しようとすると、それは“書”ではなくなり、
西洋カリグラフィーやデザイン書といったものに変質する。
古来、東洋の芸術である書は、表層には表れてこないものを内包している。
表出していないが、感じるもの。
そこに書の本質はあると思う。
〈本当の美しさは、あらわれるものではなく、かくれるものではないのか/宮城谷昌光〉