消えゆく愉しみ

書家という仕事柄のせいか、最近は調べるべき内容が日本や中国の古典といったピンポイントの本が多いが、まとめ買いをするので、amazonなどネットで探して取り寄せることが増えている。でも一方で、書店で心の趣くまま自由に手に取って、本たちと向き合っている時間は、やはり愉しい。

先日、仕事の打ち合わせの後に書店に立ち寄った。

手に取り、表紙をめくると、作り手の想いがしっかりと伝わってくる。書店では専門外だと思っている分野の本も、不思議と手が伸び、自分の知る世界を飛び越えて、思わぬ発見をすることがある。また他人からの情報ではなく、自分の審美眼も知らず知らずのうちに磨かれる。

今後、某有名コンビニエンス・ストアでは、本の取扱いサービスに今以上の力が注がれるという。ネットもしくは店頭での注文が出来て、送料と手数料は無料、150万点以上の本が管理されているとのことで、こうなると街の書店も衰退していってしまうのかもしれない。

甘美なひとときである“立ち読み”という文化も、やがて失われてゆくのだろうか。

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