前回の記事で、失われゆく手紙文化について書いたところ、知り合いの編集者の方が、まったく由々しきことだと同感してくれた。
私は最近気になっていたことが他にもあったので、それについてその人に尋ねてみた。
それはインターネットは言うに及ばず、雑誌でも今、掲載写真がほぼ全部と言っていいくらい「角版」使いをしているということ。
「角版」というのは、写真を四角形のまま、被写体を切り抜いたりしないで使うこと。
この状況について、当事者の立場から次のようなことを教えてくれた。
一番は切り抜きがデザイナーの手間と時間、つまり経費がかかってしまうこと。それと今のトレンドとして、スタティックなものが好まれる傾向があるということだった。
そうなんだろうなとは薄々思っていた・・・
ただ、整然としたもの、無機質なものばかりに囲まれてしまうことは、合理的ではあるけれど、果たして良いことなのだろうか。
切り抜きによるコラージュは、この世界の“多様性”を表現出来る手法のような気がする。
ハートマークも四角形の枠に閉じ込められていたら、きっと思いも届かない。