先週、TBSの「ひるおび」という情報番組からコメントを求められた。件の舛添都知事が購入した中国服が、本当に書作に適しているのかどうなのかということについて。私は次のようにコメントをさせてもらった。
書作をする際に、気持ちを整えるということはあり、その為に、環境を整えるということはある。
ただ、筆がスムーズに運ぶかどうかということに関しては、服装ではなく、むしろ筆の持ち方や姿勢によるところが大きい。また書が上達するには、出来るだけたくさん書くということが大切なことなので、練習には墨で汚れても気にならないというくらいの服の方が適しているし、書作に集中出来るはず。
とお話させてもらったのだが、私の関心は、そもそも彼はどうして中国服を購入したのか、また中国伝統の書道を嗜んでいるのか、そして中国革命の父と呼ばれている「孫文」の本まで執筆したのかなど、彼のバックグランドにおける“中国との関わり”についてであった。中国服や書道に手を伸ばした因果関係がそこにあるのではないかと思う。
あれこれインターネットで調べたところ、日本外国特派員協会の会見の記事を見つけた。
そして、彼の祖先が孫文の革命を経済的に支援していたということが分かった。
秦の始皇帝の中国統一より続いていた王朝支配体制を、革命によって打破した孫文が、その軍資金を日本の支援者たちからも得ていたことは知られている。
今回の件においては、お金が魔物とも言われることを再認識させられたことであったが、その使途を間違わなければ、お金は人々の希望や理想を実現させるものでもある。