当たり前のことを乱さずに、当たり前に行っていることは、新しさや飾り気を求めることより難しい。書家である私はそう実感している。
「柳緑花紅」という、中国宋代の詩人であり書人であった蘇軾(そしょく)の言葉がある。
春の景色の美しい様を表した言葉であるが、柳は緑で、花は紅という言葉通りであることから、〈人の手を加えていない自然のままの美しさ、そこに不変不動の真理が宿っている〉ことも表している。
昨年、屋号題字のご依頼を頂き、揮毫させて頂いた。
店主の方とお会いし、誠実で真摯なお人柄が印象的だった。
“真面目”であることは、ともすれば揶揄されてしまうのだけれど、私は“不良”という言葉が好きではない。
“不良品”の不良だから・・・
技、知識、感性、人格、それが全てともない、調和していなければならないことは、料理の世界も、書道の世界も同じではないだろうか。
そしてそれはコマーシャル的なことなどしなくても、見ている人は、見ている。
花柳〈かりゅう〉さんは、ここ2年連続でミシュランガイドに紹介された。
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