書家と言うと、どうしても内向きな仕事と捉えられてしまうが、定期的に人前で書道について教えさせて頂く機会もある。
大学では中学・高校の国語の教員免許を取得しているものの、教師の道には進まなかった。何事ものめり込む性格なので、いざ生徒と向き合うということになれば、四六時中生徒のことが頭から離れず、自分の書の時間など作れないと思った。なので大学を卒業してからもアルバイトをしながら、ある大学の生涯学習センターで書道を教えさせて頂いた。
ところが始めて1~2年は、ほとんど生徒も集まらず、“継続困難”と学校側に突きつけられてしまった。
その頃から今に至るまで、生徒でいてくれている女性がいる。
生徒と言っても私より年上の方なのだが、先日その彼女が「師範」の資格を得られた。
人と人の出会いは、何ものにも代えがたい感動を与えてくれる。